【5.1ch完成!】アニメ『ずんだホライずん』・狂気の国家プロジェクト作品に迫る【8月17日更新】

アニメ

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※画像はずんだホライずん本編より引用。

カオス極まりない怪作として熱狂的なファン(含む筆者)を獲得したアニメ『ずんだホライずん』

本作は文化庁による文化芸術の振興を目的とした「あにめたまご2017」の成果物なのです。

今回は国からのお墨付きのカオスアニメ『ずんだホライズン』をご紹介します。

※8月17日更新:ついに『ずんだホライずん』5.1ch音声バージョンが完成し、8月11日にクラウドファンディング参加者へ配布されました!

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東北ずん子のアニメ化『ずんだホライずん』

皆様は『東北ずん子』をご存知でしょうか?

東日本大震災により甚大な被害を受けた東北の復興支援を目的に制作され、東北6県に本社がある企業は無償で商用利用できるキャラクターです。

手に持った弓矢はずんだアロー。これでどんなお餅もずんだ餅に変えてしまいます。夢は秋葉原にずんだカフェを開くことです。

地域振興を目的としたご当地キャラクターとしてずんだ餅をモチーフにした「東北ずん子」の他、イタコをモチーフにしたずん子の姉「東北イタコ」、きりたんぽをモチーフにしたずん子の妹「東北きりたん」が誕生しました。

2012年からは公式小説が展開され、2014年には公式コミックも始動しました。

詳細は後述しますが、こちらのコンテンツの登場キャラクターとして日本各地をモチーフにしたキャラクターが誕生しています。

このコンテンツの特徴の一つに、非商用でキャラクターイメージを損ねなければ一般ユーザーも無償利用できる点が上げられます。

Twitterの東北ずん子公式アカウントは動画投稿サイト、画像投稿サイト等の作品に関するTweetを積極的にリツイートしており、ファンとの距離が非常に近いコンテンツとなっています。

また、音声合成ソフト「UTAU」「VOCALOID」「VOICELOID」等の展開がなされており、ユーザーの多様な表現に寄与しているのも特徴と言えます。

ユーザーは個人での用意が難しい「キャラクターの声」をこれらで補うことで、特に動画コンテンツの制作をしやすくなっています。

そんな東北ずん子のアニメ2017年に製作されました。タイトルは『ずんだホライずん』

文化庁の芸術振興事業「あにめたまご2017」の成果物として製作された本作は、圧倒的にカオスな展開「UTAU」「VOCALOID」を使用したミュージカル風演出がかなりの話題を呼びました。

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東北ずん子躍進の立役者「クラウドファンディング」とは?

さて、この東北ずん子の広がり、そしてアニメ化へと至る道を産んだのが「クラウドファンディング」です。

「VOICELOID」「VOCALOID」「UTAU」「MMDモデル」「アニメ化プレゼンテーション資料作成」といった各種コンテンツクラウドファンディングにより、ユーザーとSSS共同会社の協力で製作されました。

「クラウドファンディング」は、コンテンツ等の制作段階でユーザー個々人が一定金額をファンディングし、制作の資本金に当てたり、ファンディング結果による商品の採算性の証明を行って必要な資金調達に用立てたりする手法です。

ファンディングをしたユーザーに特典が提供される場合もあり、ある種の先行投資的感覚で利用できるものもあります。

制作側にとっては資金調達の方法が広がる以外にも、ファンディングの成否や伸び率がユーザーの要望を推し量る材料となり、ユーザーとの意識のすり合わせもできます。

言ってしまえば東北ずん子はファンとSSS共同会社が共同で育てたコンテンツだったのです。

このクラウドファンディングにより集まった資金でアニメ化プロジェクトのための資料が作成され、東北ずん子はこの資料を元に「あにめたまご2017」に応募。見事受託制作団体に決定される事となりました。

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アニメの未来の為に「あにめたまご」

東北ずん子アニメ化企画の肝となったのが「あにめたまご」です。

「あにめたまご」は「若手アニメーター育成プロジェクト」の愛称です。

「若手アニメーター育成プロジェクト」は文化庁が音頭を取った芸術振興のためのプロジェクトで、初年度にあたる2010年度は「PROJECT A」2011年度から2015年度は「アニメミライ」2016年度からは「あにめたまご」の愛称がつけられています。

本プロジェクトの骨子は若手アニメーターの育成にあり、受託制作団体は制作予算の内3800万円の支給をプロジェクトから受け、規定の手順で若手アニメーターの育成を行いつつアニメを制作します。

東北ずん子はファンとSSS共同会社に育てられる存在であると同時に、日本の若手アニメーターを育てる立場にもなったのです。

そして、官公庁公認のコンテンツとして東北ずん子のアニメ『ずんだホライずん』が誕生しました。

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上映会の衝撃「あにめたまご」限定上映の思い出と情報

筆者は元々「若手アニメーター育成プロジェクト」に興味があったのですが、なかなか作品に触れずにいました。

そんな私は2016年末頃に「あにめたまご」が限定上映されていると知り、「来年は見る」と心に決めました。

参加作品を調べている内に、筆者は『ずんだホライずん』に強い興味を引かれました。

本当に文化庁の手が入ったお硬い企画なのかと思うような粗筋が書かれていたからです。

そして2017年3月11日の完成披露上映会の後、4月22日からテアトル新宿にて開催されたレイトショーに参加、念願の「あにめたまご」に初めて触れるとともに、『ずんだホライずん』の虜となってしまいました。

今度こそ「こりゃお硬い企画じゃねーぞ!」と確信できるようなカオスで破天荒な作品だったからです。

余談ですが、「あにめたまご2017」には『ずんだホライずん』の他に『ちゃらんぽ島の物語』『RedAsh -GEARWORLD-』『げんばのじょう-玄蕃之丞-』の3作品も参加しており、どれも出色の出来でした。

作品自体はもちろん、作画素晴らしさは本当に価値の塊です

作画の問題が取り沙汰されることの多い日本のアニメーションであっても、十分な時間と教育があれば若手アニメーターでもベテランに匹敵しうる素晴らしい映像が制作できるということに無限の希望を感じるのは筆者だけでしょうか?

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『ずんだホライずん』本編を振り返ってみよう

と、あにめたまごの話はこれくらいにして、話を『ずんだホライずん』本編に戻しましょう。

が、本作は本当にカオスなのでまとめるのに苦労します……

ずんだ餅を食べながら幸せに暮らしていた東北ずん子、東北きりたん、東北イタコ、中国うさぎ、四国めたん、九州そらら達は、今日もずんだ餅を作るのに大騒ぎ

対して、「納豆ファクトリー」の大江戸ちゃんこ、中部つるぎ、関西しのび、沖縄あわも、北海道めろんは、ずんだの存在に脅威を覚えていました。

枝豆と大豆は同じ豆を原料としているからです。

そんな中、枝豆が品薄となり、価格が高騰

枝豆が手に入らなくなったずん子が最後のずんだを作っている最中、東北家を2人の旅人が訪れ――

こんな流れで最終的には第三勢力まで登場するバトル物じみてくるのですから驚きです。

しかも若手アニメーター育成プロジェクトの規定に則り、総尺23分30秒の1話完結ものとして製作されているため、ハイテンポすぎる超展開が絶え間なく繰り出され、突っ込みだしたらきりがありません

この超展開が本作がカオスなアニメと表される一番の所以ですが、半ばツッコまれる事をわかって狙って作ってそうな部分や、原作となった『東北ずん子』公式小説の時点で元々ネジが飛んでいる部分上手く噛み合って高い中毒性を生みました。

公式にミュージカルアニメと言われる通り、劇中ではキャラクターが歌唱する部分が複数登場します。本当の意味で「急に歌うよ」

使用楽曲は4+ミュージカル演出ではないエンディングが1曲の構成。

歌唱パートはミュージカルとして考えた場合そこまで多くはありませんが、若手アニメーター渾身の「歌う作画」が冴え渡っています。

本作の魅力は文字通りの「百聞は一見に如かず」です。

ミュージカルパートの魅力をこれ以上文章にしても野暮ったいだけですし、ぜひとも公式配信で一度ずんだを「キメ」て見ることをおすすめします。

 

筆者は本気です。

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原作はさらにぶっ飛んでる?『東北ずん子』公式小説に迫る!

さて、ここでは先程「元々ネジがぶっ飛んでる」と書いた本アニメの原作にあたる(であろう)『東北ずん子』公式小説について見てみましょう。

同小説は2012年にTwitterにてアカウントの掛け合いの形で開始され、92話からはアイコン小説サイト「アイノベ」に発表の場が変更されました。

『ずんだホライずん』の原作となるのはこの公式小説ですが、ジャンルはもっぱらカオスコメディに分類されるようなぶっ飛んだものが中心となっています。

開始初期は1話完結形式のギャグ編、後に納豆ファクトリーのもととなった秘密結社大都会が絡む大都会編魔法少女編が展開されています。

『ずんだホライずん』では大都会の組織図などが単純化されていることを考えると、スタッフは30分枠である程度話まとまるよう公式小説を噛み砕いた事が伺えます。

ただでさえ混沌としている設定が長編では更に発展していくため、『ずんだホライずん』をご覧になられた方も、まだチェックできていない方も、1話から順繰りに読んで行くことをおすすめします。

筆者は『ずんだホライずん』鑑賞前に10話ほど読んでいた小説を一気に飛ばして大都会編にトライして玉砕しましたので……。

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ブルーレイ化も秒読み段階?今は配信で鑑賞可能

さて、前述の通り文化庁のプロジェクトで完成した『ずんだホライずん』ですが、この「若手アニメーター育成プロジェクト」は成果物(つまり完成したアニメ)の取扱は制作側に一任されるため「プロジェクト外での展開」が期待できます。

すでに『デス・パレード』(「若手アニメーター育成プロジェクト」時点でのタイトルは『デス・ビリヤード』)『リトルウィッチアカデミア』などは新作などの展開がなされています。

『ずんだホライずん』も音声の5.1ch化を目的としたクラウドファンディングが行われ、目標金額を達成。

『ずんだホライずん』5.1chサラウンド対応、ノーティス動画の制作などが決定しています。残念ながら続編制作まではたどり着きませんでしたが、今後『ずんだホライずん』への注目が集まれば、続編が製作される可能性あhあります。

ファンとしては一番気になるのがBlu-ray化です。

現状製品化の予定は立っていないようなのですが、Blu-ray版『ずんだホライずん』はクラウドファンディングのリターンに組み込まれているため、少なくともBlu-ray Disc用(いわゆるBDMV方式)のマスタリング・エンコードは行われるでしょう。

Blu-ray Discを商品にするために一番必要な作品そのものの制作もすでに完了しているため、商品化への障害の多くは取り除かれる事となります。

なので筆者は製品化される可能性は十分あると(ファン心理込みで)考えていますが、未定は未定です。筆者は支払いの関係でBlu-ray版がリターンに含まれてるコースを支援できませんでしたorz

現在視聴するためには下記公式配信を利用する事となります。

※:ゲーム「鬼斬」とのコラボを記念し、2018年5月25日まで無料公開が行われています。終了しました。

ニコニコ動画(有料・本作の視聴権のみの購入可能)
dアニメストア(定額契約必須)

なお、筆者は『ずんだホライずん』5.1chサラウンド化のクラウドファンディングのリターンとしてすでに動画データを頂いているため、いつでも好きなだけずんだをキメられますが、Blu-rayが出たら当然買います

本当にお勧めなので、ぜひ見てみてください。

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【8月17日更新】ついに5.1ch版ずんだホライずん完成!

8月11日、ついにずんだホライずんの5.1chサラウンド版がクラウドファンディングのリターンとして配布されました!

一応5ch(サブウーファーは置けず)環境が揃っている我が家で再生しよう!

と意気込んだものの、どうにもうまく再生できませんでしたorz

どうやら6ch(右・左・センター・右後ろ・左後ろ・低音)の音声が2ch×3として認識されてしまっているらしく、ある程度いろいろやってみてもだめでしたorz

自力で再度ミキシングを行った方もおられるようですが、自分は知識の浅さが災いしてかうまく行かず、まだ5.1ch音声が聞けていません。

ぐぬぬとモニターの前で悶絶しつつ、ノーティス動画を待ちながら打開策を探っていきたいと思います。

 

同時に配信された追加エンドロール(一部プランのクラウドファンディング参加者がロールテロップされる)はただのエンドロールではなく、細々とした豊富なネタや評判に関するアンサーも含めたオチが素晴らしかったです。

 

いっそディスクを入れるだけで5.1ch再生できるであろうBlu-ray版ディスク付きのプランでクラウドファンディング参加しときゃよかったと思いつつ、むしろBlu-rayセルソフトリリースを待つのも手かと思う今日このごろでした。

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