【『ULTRAMAN』配信記念】初代『ウルトラマン』おすすめ話数レビューその3

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こんにちは、アニとゲ管理人です。

今回も初代『ウルトラマン』のレビュー解説記事です。

第1回はこちら

第2回はこちら

 

今回も3話分紹介していければと思います。

まとめてドンと並べられてもなかなか読みきれませんしね。

というわけで、早速紹介行ってみましょう!

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第23話「故郷は地球」

基本情報

登場怪獣:棲星怪獣ジャミラ

脚本:佐々木守

監督:実相寺昭雄

宇宙開発競争とその犠牲者に仮託して、社会的に虐げられた者の悲哀を描いた名編です。

 

東京で開かれる、国際平和会議。

その参加者の乗った飛行機が次々墜落するという事件が発生します。

科特隊パリ本部から派遣されたアラン隊員と共に捜査を開始した科特隊メンバーは、事故原因が見えないロケットによるものだと突き止めます。

ロケットの中から現れたのは、かつて地球への期間に失敗し、存在も隠匿された宇宙飛行士、ジャミラ。

絶望的な環境で生き残るためにその姿はわずかに原型を留めるほどの異形のものとなっていました。

パリ本部はジャミラを怪獣として抹殺するよう科特隊に命じます。

 

ウルトラマン・ウルトラセブンと変化球を投げ続けた佐々木守・実相寺昭雄コンビの生んだ話の中でも、ことさらに著名な本作。

強烈なメッセージと、それを象徴するようなジャミラの最期は本当に心に刺さります。

 

イデ隊員の「悩める青年」という側面が強調されるのも、作品的に重要です。

次回取り上げる予定の「小さな英雄」で、このメンタリティが非常に重要な側面を持ちます。

 

ジャミラのデザインは、水のない星で生き残った故に変わり果ててしまった人間というもの。

本作の怪獣デザインを一手に担った成田亨は、怪獣は醜悪なものであるべきではないという自身の哲学から大きく外れる発注に嫌悪したとも、逆にきぐるみという制約への挑戦を目指し意欲的だったとも言われています。

肩と首、頭が一体となった姿は印象深く、服の襟を頭にかぶせてジャミラの真似をするという遊びがよく聞かれますね。他人事みたいな言い方ですが、自分もやったことあります。

 

映像的にも実相寺監督らしさが溢れる作りとなっています。

「故郷は地球」では特に独特なカットがストーリーの重さ、秀逸さとよく噛み合っているように感じられるのは筆者だけでしょうか。

本話がなければ語れないことも多い、本作一番の切れ味を持つ変化球です。

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第25話『怪彗星ツイフオン』

基本情報

登場怪獣:冷凍怪獣ギガス・彗星怪獣ドラコ・どくろ怪獣レッドキング(二代目)

脚本:若槻文三

監督:飯島敏宏

三大怪獣が大激突するロマン溢れる巨編にして、彗星の衝突・行方不明の水爆とスリリングな要素も作品に緊張感を与える傑作です。

 

突如観測された怪彗星ツイフオンは、地球衝突スレスレの軌道をとり、科学者を焦らせると共に安堵させます。

しかし、ツイフオンが発する宇宙船が水爆を爆発させる可能性があるとされ、各国は対策に追われました。

そんななか、オホーツク海で行方不明になった水爆があり、イデが探知装置を開発、日本アルプスに移動していることを突き止めます。

ツイフオンは最接近の後地球を離れていき、水爆爆発の危機は免れたかと思われましたが、ツイフオンからドラコが地球へ来襲。

ギガスと共にドラコを出迎えたのは、なんと水爆を飲み込んだレッドキングでした。

宇宙怪獣対地球怪獣の決戦の行方は、そしてレッドキングが飲み込んだ水爆やいかに!

 

前半戦はツイフオンを巡る人々の姿がメインとなりますが、二点三点する状況とちょいっとコメディを挟みつつテンポよく進行するので、結構自然に見れます。

 

そして後半戦。

放送日が1月1日ということもあり、第8話「怪獣無法地帯」や第19話「悪魔は再び」のような複数怪獣によるバトルが本話の一番の見どころです。

ロイヤルランブルから一転、ドラコ撃破後はレッドキングとウルトラマンが、ギガスとイデ・アラシが乗るビートルが激突する状況へ。

分断されることで水爆を飲み込んだレッドキングの危険性が今一度提起されるなど、細かな筋運びの妙も光ります。

 

余談ですが、サブタイトルでは「ツイフオン(字面では「フ」と「オ」が別れている)」とされている彗星の名前ですが、映像中では一貫して「ツイフォン(フォで1音)」と呼ばれています。

文献等では慣例上前者の表記にされることが多く、文字として確認できるサブタイトルの他シナリオでも前者の表記で統一されているようなので、本記事では「ツイフオン」表記としました。

 

個人的にはウルトラファイト(アトラク編。怪獣コント的な奴で、ウルトラファイトといえばこちらを指すことが多いですね)を思い浮かべる終盤のバトルが大好きです。

あと、見返すと前半と後半の対比が王道的な怪獣映画を思い起こさせるなという印象も持ちました。

他の話でも比較的きっちり描かれているんですが、今回は特にコントラストが強く感じられましたね。

迫力のバトルを楽しみたい方は是非御覧ください!

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第26・27話『怪獣殿下 全編/後編』

基本情報

登場怪獣:古代怪獣ゴモラ・吸血植物スフランII

脚本:金城哲夫、若槻文三

監督:円谷一

本作唯一の前後編にして、相応のスケールで描かれる王道の怪獣モノ作品です。

今回は前後編をセットでご紹介します。

 

怪獣の存在を信じる怪獣殿下ことオサム少年。周囲の友人は彼を笑いますが、大阪万博で展示すべく怪獣が日本へ移送されることを聞き、期待を懐きます。

ジョンスン島で発見された怪獣、ゴモラはアメリカで開発されたUNG麻酔弾を用いて眠らされ、日本へと移送されることに。

ゴモラの存在が世に知られ、怪獣殿下は一転クラスの中心へ。科特隊はゴモラ輸送を開始します。

ところが、輸送途中でゴモラは目を覚まし、科特隊はゴモラを輸送完了間際で切り離すこととしました。

ゴモラはその力を存分に発揮し、ウルトラマンさえも尻尾の攻撃で退け、地中へと姿を消します。

 

科特隊はゴモラ撃退のために大阪に対策本部を設け、しっぽの切り落としには成功するも逃してしまいます。

大阪一帯に緊張が走る中、ゴモラは大阪城方面へと進行。

最終決戦の幕が開かれます。

 

この前後編は群を抜くミニチュア特撮の迫力の他、前後編に別れたことで存分に描かれるゴモラの驚異が見るものに衝撃を与えます。

大阪のABC放送やスポンサーである武田薬品の要請・協力を得て実現した大阪ロケや、対策本部の緊迫感もいい感じで作品を盛り上げます。

『ウルトラマン』放送終了後に制作された再編集劇場版『長篇怪獣映画ウルトラマン』ではラストエピソードに選出されています。

それだけ出来が良いという評価を得ているのでしょう。

 

そして、ゴモラの存在感も素晴らしい。

人間に叩き起こされて始末されるという一抹の悲哀も兼ね備えているのは、前後編できっちり作品が描かれた影響もあるでしょうか。

前編後編と暴れまわっているのもまた素晴らしい。

他の話からは頭一つ違うスケールを見せてくれます。

ゴモラは後に「ウルトラギャラクシー怪獣バトル」の主役怪獣になるほどの人気を得ますが、今回の暴れっぷりにその一端があるのは間違いないでしょう。

 

そしてひときわ異彩を放つのは独特な世界観。

近未来的描写がまま見られる本作に置いて、大阪万博という強く放送当時を意識させる筋書き。

そして何より、怪獣がいないとされる序盤の描写。

他の話とは異質な空気感が作品全体に流れています。

なぜこうなったのかは少し判然としませんが、放送当時は怪獣殿下ことオサムに共感した視聴者が結構多かったとのことで、うまく嵌ったのは事実のようです。

ぶっちゃけ自分もオサムのもらった流星バッヂに憧れた記憶があります。

オサムがあんまりいい子ぶらず、それに対応する大人もやたらと邪険に扱うわけではないあたりに本作ならではの空気感が伺えます。

……ココらへん、自分が無理解な大人とこまっしゃくれた子どもって図式が定型化しているという印象を強く持ちすぎてるせいですかね。

 

怪獣は暴れてなんぼ! という方におすすめの前後編です。

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次回もかなりの良作揃い

今回も3話取り上げてみました。

次回はちょうどきりよく第3クールから3本まとめる予定です。

前回も書きましたが、やはりセレクトとなると何を切るか迷いますね……。

旧国立競技場のスケール感と二大怪獣の激突が素晴らしい第19話「悪魔は再び」なんかも今回は外す形となりました。

この話、特技監督が円谷英二ということもまた重要なトピックスなんですけどね。

スケール感を出すために国立競技場の一部のみのセットを広く作り、カット割りを工夫して作られていない部分を意識させない映像なんかは正に神の御業と言えるでしょう。

 

……と書き始めると本当に止まらないので今回はここまでで!

 

記事は以上となります。お読みいただきありがとうございました!

 

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