こんばんは、12月14日の振り返り上映会に参加してきたアニとゲ管理人です。
上映会の感想は「とりあえずUNION」にとりあえずメールしたので今回は省きます。
メールが採用されなかったら「遅まきながら」とかいいながらまとめるつもりです。
今回は『SSSS.GRIDMAN』第11話「決・戦」の感想を見たままにまとめていきたいと思います。
前回の引きから崩壊していく世界と、明かされた真実に当惑する今回。
そして最後の引きは……今回こそ王道!
ただ、ちょっと思うところもあるので、それもまとめておきました。
長い一週間のツマにでもお読みいただければ幸いです。
なお、筆者の視聴環境の関係で、本記事は当該話数を全く見直さずに執筆しています。
また、内容を大きく変更する形での更新も行わない予定です(単純な誤植の訂正や、補足説明を入れる場合はあります)。
そのため、内容に勘違いや見間違い、重大な見落としがある可能性が高いことにご留意の上でお読みください。
「こうするしかないじゃん」心の悲鳴が聞こえる回
10話ラストのアカネの凶行から作品が始まります。
OP無しの構成だった1話を除くと、初のアバンですね。
アカネはジャンクも壊して去っていきました。
「こうするしかないじゃん」とのアカネの言葉に、彼女の追い込まれた部分が凝縮されているような気がします。
そして、この状況で今までになくショックを受ける内海。
六花が母親に119番を促す中、彼は膝から崩れ落ちる状況。
友達が目の前で刺されたら、その衝撃たるや想像が及ばない程のものでしょう。
電話は繋がらず、救急車が呼べない状況となります。
「電話は命と繋がっている」とはキャリバーさんの3話でのセリフでしたが、だとすると……。
そんな危機的状況で、響に必死で呼びかける面々、と言ったところでオープニングに入ります。
響がOPテーマ「UNION」の歌い出しにも激励されているように聞こえて今回唯一頬が緩みましたが、より強く響の危機を訴えていると捉えるべきなのかもしれません。
アンチ/グリッドナイトの冷徹さと、強調される「一般人」
結局響はリサイクルショップのバンにて病院へ運ばれ、処置を受けます。
相変わらず電話が通じないばかりか、その他データ通信も止まっているようです。
空にはコンピューターワールド(一応まだ明言されていませんが)が広がり、修復も行われないため街は混乱の中にある様子が見て取れます。
前回の毒ガス怪獣破壊の影響が色濃いようです。
原作の見る影もない形ですが、舞台装置なのでまあ……。
そして、怪獣を作りたがらないアカネにしびれを切らしたのか、アレクシスは「ありもの」で独自に怪獣を暴れさせ始めます。
アレクシスの目的はまだほとんど見えてきませんが、アカネの作った世界をわざわざ壊したことを考えると、この世界の掌握になにか意味がありそうですね。
それに対し、何もできないでいる新世紀中学生。
パワードゼノンになれないのはグリッドマンがいないからと説明されています。
9話ではグリッドマンが健在で、響とアクセスフラッシュできないだけだったから戦えたということでしょうか。
ジャンクが壊れていることだけが理由だった場合、出られないとヤキモキする前に修理して出撃する場面でしょうし。
六花はみんなの様子を見てくると広域避難場所に指定されている学校へと向かいます。
友人からは前回の事件についていろいろ突っ込まれながらも六花はごまかし、病院へと戻ります。
送り出す友人の言葉は暖かくも重く、作品終盤という印象を強めますね。
さて、響の医者の見立てによると意識が戻らないことはありえないとのこと。
現に起きているわけですが、その理由がBパートの肝となります。
怪獣が暴れる中、自らの意思で病院に現れるアンチくん。
誰だと尋ねられた内海の「一般人」という言葉がなんとも重い。
怪獣被害の悲痛さというと、やはり初代『ゴジラ』の描写が一番鮮烈でしょうか。
鑑賞者が第二次大戦を経験しているという前提を元に戦争時を思い起こさせる描写が重厚に描かれています。
以降とは違うリアリティーがあり、同作が大人にも愛され金字塔となった所以の一つです。
本話でも避難所の描写などに、広域災害の空気がありましたね。
決してわかり合ったわけではないものの、アンチは新世紀中学生に戦えないから何もしないのかと言い残し、グリッドナイトとして怪獣退治に赴きます。
グリッドナイトが再生怪人のお約束よろしく、バッタバッタと怪獣をなぎ倒していく場面は爽快でした。
さて、新世紀中学生はグリッドナイトの言葉に思うところがあったらしく、リサイクルショップへ駆け込んでジャンクの修理に入ります。
取り残されたグリッドマン同盟の3人。
そして、アカネを探しに出る六花。
一人何もできないとうつむく内海に、筆者は最初「友達として隣にいてあげることこそができること」と思いました。
はい。この時は。
友達として作られたのだから、友達として心配する
戦いが発生していることにも上の空なアカネを見つけた六花。
アカネは六花を拒絶しましたが、六花は彼女のことを心配しています。
友達だから。
アカネの友達として作られた六花。
だからこそ、六花は心から、本気でアカネのことを心配するのです。
アカネの望まない形で、彼女の用意した設定が深く突き刺さる瞬間でした。
響はグリッドマンだった……かつての内海の友達は……
新世紀中学生は、響が意識不明なのはジャンクの故障が原因だと考えました。
彼らの想像通り、ジャンクが修復されるとともに回復する響。
その際、響は自分が何者なのかを思い出します。
記憶喪失の理由は、そもそも彼にそれ以前がなかったから。
彼は響の体を借りたハイパーエージェント・グリッドマンだったのです。
すべてを思い出したグリッドマンに対し、内海は悲痛な声を上げます。
彼は響と友達でした。
1話で記憶喪失になったという響=グリッドマンに対し語った「もう一度友だちになったってことで」との言葉が象徴的でしょうか。
その友達が、実は友達ではなかった。
しかも、友達の体を借りるヒーローは、命まで投げ出さんとする決戦へ赴こうとしています。
一般人であり、かつての響の友達であり、今のグリッドマンとも友達であるはずの内海。
一般人としては怪獣を倒してほしいという思いもあるかもしれません。
今のグリッドマンの友達としては、いくつも思うところがあるでしょう。
今までの戦いを楽しんでいたのかもしれないという逡巡も、まだ残ったままです。
しかし、友達が友達でなくなり、理由があるとはいえ勝手に命を賭けるような形で戦いに行くのをとても受け入れられるはずがありません。
私も内海に感情移入していました。
そして、彼の一般人としての無力さが、響を止められないという部分ににじみ出ています。
先述したとおり、友達としてそばにいることに意味はあったと思います。
ですが、その結果突きつけられた現実がこれとは……
「ウルトラシリーズならこういう時」といった感じで色々考察したいところではありますが、お約束みたいに思われているウルトラヒーロー像も結構バリエーション豊かなんですよね。
本作がどこを落とし所にするのか、少し怖くもあります。
内海(と筆者)がいい涙を流せる展開を期待しています。
最後の怪獣は……!
グリッドマンの参戦を経て、グリッドマンとグリッドナイトは怪獣軍団の撃破に成功します。
グリッドナイトキャリバーの下りはかっこよかったっすねぇ。
戦い終わって日が暮れて……とならないのが今の状況です。
アレクシスはアカネの怪獣を欲していましたが、彼女がやる気を無くしているのを見て、彼女を怪獣に仕立てます。
今回はここで終了。
前回はなまじ理由が推察できるだけに説明不足感のある幕切れとなりましたが、今回はそもそも底の読めないアレクシスの行動だけあり、唐突さが意表を突く一撃として打ち込まれました。
残すところあと1話となった本作。
ついにラスボスらしさを出してきたアレクシスに、最重要人物の怪獣化というクライマックスにふさわしい展開。
後述する通り思うところはありますが、期待もまた大きくなったのも事実。
今週は長い長い一週間になりそうです。
ヒーローと主人公の関係はどうなるのか?
さて、本作の響はヒーローと一心同体となったのみならず、響の意識はグリッドマンのものになっていたようです。
3話での響の悩みにグリッドマンが答えを見つけて戦う流れは、この設定から見ると妥当ということになりますね。
響とグリッドマンの認識・意識がずれている場面などもありましたが、9話では響の夢にのみグリッドマンが出てくるなど、一心同体らしい場面もあったのは事実です。
が、完全に同一化しているというのはちょっと想定外でした。
5話の感想でグリッドマンが響の記憶を奪ってしまった的な予想をしていましたが、まさか体ごと奪っていたとは。
ウルトラシリーズなら……とざっくりいきたいところですが、先に触れたとおり一心同体となった主人公とヒーローが、最終回でどうなるのかだけでもいくつもパターンがあります。
多いのが「それぞれ分離して終了」で、ついで「ヒーローと一体化したまま故郷へ帰る」や「ヒーローとしての戦いを終えて地球に残る」なんかが定番と言えるでしょう。
本作で一番見たくないのは、やはり「ヒーローと一体化したまま故郷へ帰る」ですね。
内海の言う通り、元の響はどうなったんだと思ってしまいます。
ここまで明確に煽った以上は、仮にこのオチになるとしても何らかの答えを出してくるとは思います。
本当の響裕太がもっと色濃く残っていれば、「ヒーローとしての戦いを終えて地球(本作の場合は「この世界」か)に残る」でもスッキリできるのですが。
……そもそもツツジ台そのものが残らない可能性もあるんだよな、この作品。
逆張りで響だけ残るとか……無いよね?
カッターの扱いに思うこと
さて、初回から登場していたカッターナイフ。
アカネの工作道具として採用されたかと思いましたが、前回、今回と別の意味を持つアイテムとなりました。
黄色いカッターといえば、『電光超人グリッドマン』には「もうひとりの武史」という印象的な話があります。
そちらのネタバレは避けますが、一言だけ。
……なんでわざわざこれを選んだ?
本作スタッフの仕事っぷりを見るに、狙ってやっているのは間違いないというのがまたやるせない。
作品自体は面白いのに、オマージュ・リスペクトの方向からマイナスの印象を覚えることになるとは正直思いませんでした。
アカネちゃんが「こうするしかなかった」のは作中世界の話です。
制作側のアイデア・発想の段階で「こうするしかなかった」ということは無いでしょう。あってたまるか。
ここだけはどうしても納得出来ないので、感想ついでに少し残しておきたいと思います。
本作と原作の差異を比喩的に描きたかったんだとしてもさぁ……。
記事は以上となります。お読みいただきありがとうございました!
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