こんばんは、ちょうど『電光超人グリッドマン』の第2クールまで見返してたので序盤ビクビクしていた管理人です。
今回も『SSSS.GRIDMAN』の感想をまとめていきたいと思います。
今週は第10話「崩・壊」。
序盤こそ少しじっくり尺を使うなぁと思ったものの、気がつけばあれもこれもと濃ゆい展開がてんこ盛りの回でしたね。
この引きは卑怯!来週が気にならないわけがないじゃないか!
というわけで、今回もネタバレ大前提でガンガン掘って行きましょう!
なお、管理人の視聴環境の都合もあり、本記事は放送をリアルタイムで見たまま「再見せずに(出来ずに)」まとめています。
また、上がったテンションで書きなぐっているため、一部調査や掘り下げが足りていない点があります。
そのため、記事中に間違いや誤解がある可能性が非常に高い点はご了承願えますと幸いです。
何かありましたら気軽にコメントください!
アカネちゃんの作った怪獣のデザインが訴えるもの
アカネちゃんが今回制作した怪獣は、アレクシスも驚くほど気合の入っていないデザインとなっています。
もちろん、作中での話であり、デザインそのものは「アカネちゃんが投げやり気味に作った怪獣」としてちゃんとデザインされていました。
さて、この怪獣、白地の姿に大して暴れず終わる……というのが前半ですが、この怪獣を見て筆者はピンと来ました。
この怪獣の元ネタは、おそらく『ウルトラマン』第15話「恐怖の宇宙線」に登場するガヴァドンです。
以下に「恐怖の宇宙線」のストーリーを軽く紹介しておきます。
ムシバ少年が土管に描いた怪獣が宇宙線によって実体化した怪獣、ガヴァドン。
寝てばかりの怪獣で、宇宙線の降り注ぐ昼間しか実体化しません。
ムシバ少年とその仲間たちはより強力な怪獣を生み出そうと土管の絵に手を加えます。
面構えこそ精悍になったガヴァドンですが、やはり寝てばかり。
対して科特隊は暴れなければ被害は出ないだろうと静観の構えを取ります。
しかし、ガヴァドンはただ寝ているだけで都市機能を麻痺させてしまいました。
ガヴァドンの退治を決める科特隊、そしてついに登場した我らがウルトラマンに対し、ムシバ少年たちは罵声を浴びせます。
自分たちが生み出した怪獣なのです。当然と言えるでしょう。
それに対してウルトラマンが出した答えとは……
こんな感じの話です。
こうして書き出してみると、本作や今回の話と符合する点が多いと思いませんか?
怪獣が、存在するだけで影響を与える存在であること。
怪獣を作るアカネと、自分の描いた絵が怪獣となったムシバ少年。
怪獣の生みの親であるという立場から、怪獣が倒されることに対して独特な感情を抱くこと。
そして、姿を変える怪獣。
破壊を目的に作られたか否かや、そもそも怪獣を生み出すことによる影響をどう捉えているかなどの違いはあるものの、「恐怖の宇宙線」を見るとアカネちゃんが作った怪獣が倒されるたびに何を思っていたのかが見えてくる気がします。
驚異の3段構成その1・新条アカネの憂鬱と日常
ここからはストーリーに目を移しましょう。
アカネは学校も怪獣づくりも休み、街には平和が訪れます。
アカネは自分のやっていることに意義を見いだせなくなっている様子です。
内海は自分の記憶や世界そのものが必要に応じて作られている可能性が高いと思いいたり、深く悩みました。
3人の中では軽率さや調子のいい部分が目立つ内海ですが、一言多いということはその一言を考えられる分頭の回転がいいということでしょうか。
響の心配を他所に試験勉強に打ち込むというのもまた彼らしいところですが(人の心が読めていない……というほどずれているわけではないとも思いますが)、戦いだけが生活ではないという答えに至ったのは一興と言えるでしょう。
そんな中、ついにアカネは怪獣を作り出します。
が、アレクシスはこれでいいのかと思うほどの投げやりさでした。
その怪獣は今までと比べてかなり見せ場がなく、フルパワーグリッドマンに一瞬で片付けられてしまいます。
これで一件落着……とはなりません。
いつものごとく乱入してくるアンチくん。
そしてこちらもフルパワーグリッドマンに力負けし、人間態に戻ってしまいました。
ジャンクの前でなぜアンチにトドメを刺さないのかという話が出て、グリッドマンはアンチは怪獣ではないと考えていることがわかります。
このあたりは、後の伏線でもありましたね。
倒された怪獣を見て、アカネが怪獣は倒されるためにいるんだと放心したようにつぶやきます。
彼女の怪獣への期待は、グリッドマンによって尽く潰えてしまっていたことがわかりますね。
余談ですが、今でこそヒーローに倒されるという印象のある「怪獣」という存在ですが、元々は作品の主役でした。
モンスター映画の元祖たる『キングコング』や怪獣映画の金字塔『ゴジラ』、もちろん今でも数多の映画で主役を張っていますね。
実のところ、本作の直系の祖先である『ウルトラマン』の主役も、実は毎週登場するバラエティ豊かな怪獣たちでした。
毎週地球人に退治されてしまうと怪獣が弱く見えるため、ヒーロー活劇の作風を持ち込むことで「人智を超えた驚異である怪獣と、それを退ける超人=ウルトラマン」というフォーマットが作られたのです。
ですが、大抵の作品で怪獣は倒される、驚異ではならなくなる形で幕引きがなされます。
でないと、世界が滅んで終わってしまいますからね。
アカネちゃんの抱いていた期待に答えてくれる世界は、なかなか難しいと言わざるを得ないのかもしれません。
これまでの怪獣と違い、亡骸が消えなかった今回の怪獣。
街自体も壊れたままであることも考えると、アカネが今まで行っていた修復を放棄したことが伺えます。
彼女にとって、もうこの世界に求めるものは崩壊してしまったのでしょうか?
驚異の3段構成その2・アンチの覚醒
グリッドマンから怪獣ではないと定義されたアンチくん。
さて、では本作の怪獣の定義とは?
グリッドマンいわく、今までの怪獣はアカネの悪意が固まった意思のない存在だとのこと。
対してアンチは独自の意思を持つ、生きた存在だということになります。
この点はこれまでの行動を思い返してみると、たしかにと思わされますね。
そして、アンチは雨に振られるアカネの前に姿を表し、傘を差し出します。
それを受け、アカネはアンチを失敗作と断じました。
怪獣であれば、自分の心は読めないと。
9話で自分の近くにいる存在を欲していることが明らかになったアカネちゃんですが、彼女が怪獣に求めているものは、自分の心を察してくれるような存在ではないようです。
放置されていた怪獣から脱皮して登場した新たな怪獣。
その姿は異形のものという形容がぴったりですね。
怪獣は街を修復し、同時に住人たちに必要な幻覚を見せていた、街に佇む毒ガス怪獣を破壊し始めます。
アカネの心が産んだ怪獣の中から現れたアカネの本心が、アカネ自身が作った街を破壊していく。
彼女が精神的に追い詰められていることが強く感じられて、筆者は胸が締め付けられました。
対処のために戦いに出たフルパワーグリッドマンは、この怪獣の動きに翻弄され劣勢に立たされます。
そこに現れたのが、アンチでした。
創造主からは失敗作とみはなされ、グリッドマンからは怪獣ではないとみなされたアンチくん。
では、彼はなんなのか。
それは新たなヒーローでした。
彼はグリッドマンの能力をコピーしたのみならず、アカネの心を読むことで怪獣に対抗し、グリッドマンも使用していない切断光線でこれを一刀両断!
ここの鈴村さんの叫びと、今ではとんと見られなくなった(放送コードや子ども向け番組としての制約が原因だと思われます)真っ二つになる怪獣の姿は、胸熱でしたね。
縦にパッカーンとやるのはウルトラマンAがメトロン星人(2代目)をバーチカルギロチンでぶった切った場面を思い出させます。
ニューヒーロー、グリッドマンナイトの登場は今回のハイライトと言えるのでは無いでしょうか?
ナイトといえば、ハンターナイトツルギが6話に出てましたね。……実は伏線?
驚異の3段構成その3・禁じ手・ダイレクトアタック
さて、話は少し戻って脱皮した怪獣とグリッドマンの戦いが始まる直前。
アカネは響たちが六花の家で戦う様子を見てしまいました。
戦い終わった響たちの前に現れるアカネ。
彼女は響がグリッドマンだったことに気づいていながらも、響がジャンクを用いて変身していたことなどを知らなかったといいます。
神様でも知らないことがあるのかと問う内海に対し、逆に今まで捨てたものをすべて覚えているかと問うアカネ。
六花のリサイクルショップはそうやって捨てられるようなものが集められている場所だとも発言していましたね。
この世界はアカネが作り出し、怪獣を用いることでかなりコントロールできるものです。
そして、その世界から不要とされリサイクルショップに持ち込まれたものたちのなかにジャンクはありました。
あえて自分が捨てたものをたとえ話に出していることも考えると、ジャンクは間接的にアカネが手放したものだったといえるのかもしれません。
意思の介在は別にしても、いらないと放棄した/されたものの中に夢のヒーローがいて、自分の夢を破壊していたのです。
内心はたまったものではないでしょう。
そして、自分もグリッドマンと話したかったといいながら、アカネは響を刺して今週は終わります。
この引きは卑怯!来週が気にならないわけがないじゃないか!
何度でも言いたくなるような展開で次回へ続きます。
1クールアニメであることが残念
さて、今回は怒涛の3段重ねとなっていました。
最初こそここ数回と同様にじっくり行くのかと思いきや、怪獣との2連戦、アカネの傷心、ニューヒーロー登場、ラストの展開とてんこ盛りの回となりました。
ですが、筆者はその分尺がカツカツな印象を持ってしまいました。
仮に本作が4クールなら、アンチくんの意思の有無やグリッドマンを倒すために共闘するという流れにもっと話数や尺を割けたでしょう。
例えば3クール目のサブプロットに投入するような形で。
彼に感情があるのでは? とネタ振りされてからその行動をしばらく見れたなら、より早くその変化が腑に落ちたでしょう。
さらに「グリッドマンナイト誕生」で1話きっちり使って敵対から共闘へ至る葛藤の過程も見れたのかなと思ってしまいます。
アカネの鬱屈とした心理に関しても、インパクトこそ抜群な代わりに唐突感が強く、きっちり絶望する描写が無いのが本当に残念。
結果的に、凶行の瞬間には唐突感と共に、アニメのお約束的な印象が強くなってしまいました。
この引きは卑怯!来週が気にならないわけがないじゃないか!
って展開であり、期待感も高まったのに、です。
他にも街の怪獣が『電光超人グリッドマン』で強烈なインパクトを残した毒ガス怪獣という設定であり、なおかつ街にとって非常に重要な存在だったのに、今回でそのネタバラシから崩壊まで一直線になってしまったりというのもちょっともったいない印象です。
つくづく、2クール以上の長さでじっくり見たい作品だと思ってしまいます。
とはいえ、今から放送スケジュールが変わるわけもありません。
尺が少ないのなら、その分ジェットコースター敵展開で駆け抜ける事ができます。
現場的にもクライマックスに向けてスケジュール調整をしていたという話がママ聞こえてきます。
残り2話はハイスピードで熱い、面白い展開が見られることを期待しています!
記事は以上となります。お読みいただきありがとうございました!
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